地震が起きたときに実際にどれほどの大きさだったのかを知ることは、自宅の揺れやすさや公表値との差が分かり、今の家に住み続けて大丈夫なのかを判断する重要な情報となります。
GraGraph
東日本大震災が起きた時は会社に居たため、自宅がどれほど揺れたのか想像がつかないのですが、本棚の中身が全部飛び出し、100Kg以上の本棚に潰されたCDケース、80Kgもある洗濯機が大きく移動するなど、自宅に居たら大変なことになっていたでしょう。マンションの隣室や下の部屋の住民は、地震のあと引っ越してしまいました。
発表された震災時の自宅近辺の震度を見ても、どう考えてもその震度以上の揺れであったことは部屋の状態から分かります。では、何か計測できるものは無いかと探して見つけたのがGraGraphです。
家庭用の地震計ですので、地震が予測できるわけでも、携帯電話の緊急地震速報のように遠くで起きた地震から揺れの到達を教えてくれるわけでもありません。
メリット
実際に使ってみてのメリットはこのようなものでした。
- 自宅の構造による地域の震度との相対的な差から大きな地震が来た時の揺れを予想できる
(私の住居では発表震度に2足した揺れが起きることがわかりました) - 携帯電話の緊急地震速報が届かない余震でも、揺れ始めを検出するので身構えることが出来る
- リアルタイムで揺れをグラフに表示するので、揺れが収まったか確認できる
- 大きな音なので寝ている時に起きた場合、揺れではなく音で起こされるので、家具につぶされる前に逃げられる可能性は高くなる
デメリット
一方、デメリットもありました。
- GraGraphを設置した場所の前を歩くだけで震度1から2を検出してしまう
(設定で震度3以上でしか警告音を発しないようにはできる) - 夜中でも地震を検出すると止めるまで「地震の6つの心得」を再生するので五月蠅い
遠くの地震は、小さく揺れ始めて、段々と揺れが大きくなるように変化しますので、震度1でも検出するように設定しておけば身構えることは出来ます。しかし、日常生活の揺れまで検出してしまうので、結局、震度3以上で警告を発するように設定すると、揺れの早期探知は難しくなります。出来るだけ生活振動が伝わらず、よく見えるところに設置すると効果はあると思います。
- GraGraphカタログ(PDF)
現在入手できる地震計
東日本大震災から時間が経ち、嵩んだ防災用品も在庫処分され、GraGraphも入手できなくなりました。
しかし6軸センサーなどで加速度を測定することで地震計は自作できます。
技術同人誌がこちらで販売されています。
部品と基板がセットになったキットも販売されています。
地震が来ることを知るだけならスマートフォンや携帯電話に緊急地震速報が届きますし、携帯電話が無ければこのようなもので知ることができます。FM放送で送信されている特殊な信号を検出して通知します。
まとめ
今はスマホが普及し、誰もが通信手段を持ち歩いているため、携帯電話の緊急地震速報があれば十分と思っている方が多いでしょう。
しかし、自宅の揺れ方、どの程度の震度でどの程度の被害が出るのかをしることで、棚の荷物の置き方や、崩れやすい物品の対策など、十分な防災対策をとることができるようになります。